ずっと憧れていた。同じクラスの一番目立つ男の子。勇気のない私はバレンタインにチョコを渡すなんてことも出来なかった。彼がチョコをもらってもちっとも嬉しそうじゃなかったからなおさら渡すなんて出来なくて。最初の一年は用意だけしてた。次の年こそと意気込んで手づくりのチョコを用意した。でも・・・・やっぱり勇気がなかった。三年目は用意すらしなかった。ただ遠くから見ているだけで。そうして私は附属の大学に進み、彼は私立の有名大学へと進学して行った。それからも彼の噂はよく聞いた。実は株式会社伊達の御曹司で今はお父さんの跡を継いで社長になっているという。私は、というとごくごく普通の会社に入ったけど長続きしなくて、派遣社員で数年単位でいろんな会社を渡り歩いてる。友達はもう結婚して子供がいる子もいるから、母さんはそろそろ結婚しなさいなんて言ってるけど、彼氏もいないし、毎日がグダグダなのです。
高校の同窓会の招待状が届いていたのはそんな時。仕事から帰ってきた私に母さんが渡してきた。日時は一ヶ月後。早速夜には悪友から電話がかかってきて、私は参加を決めた。
当日は友人の結婚式に出たドレスを着回して会場に入る。途端にもっとお洒落してこなかったことを後悔した。ほとんどの女の子はヘアメイクはばっちり、ネイルもきっとネイルサロンに行ったんだろうなあと分かる気合いの入れようで、高校の時にはお洒落よりクラブ、なんて子も見違えるほど綺麗になっていて、私は気後れしてしまっていた。
「!こっちこっち!」
悪友に手招かれてテーブルに着く。見回せば男の子たちは着飾った女の子たちに声を掛けるのに必死で、イメージにあった同窓会とはかけ離れた雰囲気にびっくりする。
「ねえ、今日みんな気合い入ってるね」
こっそりと友人にささやくと彼女は笑って「伊達くんが来るからじゃない?」と教えてくれた。なるほど、「みんな玉の輿を狙ってるのかあ」と言うと、彼女はケラケラと笑って、「でもって彼女のいない男の子が目の色を変えてるワケ」と言う。私は元々目立つ方じゃなかったから、「そうかあ」と言ってバイキングに専念することにした。
しばらくすると、入り口当たりでキャーという歓声が上がった。びっくりしてそっちを見ると、そこには伊達くんが女の子たちを侍らせて立っていた。超カッコいい!思わずポカンと口を開けて見ちゃうほど、彼のいるところだく雰囲気が違っていた。目が離せなくなっちゃうよ。
「?大丈夫?」
「あ〜うん、大丈夫」
友人にはそう言ってけど、視線は伊達くんから離れない。高校の時からめちゃくちゃモテて、冗談じゃなく一ヶ月単位で横に立つ女の子が違っていた。でも卒業してからの七年でこんなに変わるんだ、とまざまざと見せつけられるよう。数人の女の子を侍らせながらどこか気怠そうに、でも自信満々で笑いながら入ってくる。女の子だけじゃなくて男の子たちも完全に伊達くんに気圧されてた。
「すまねえ、遅くなったな」
我に返った今日の幹事の男の子が伊達くんを手招くのにひらひらと手を振って席に着く。当然のように侍っている女の子と自分の分のグラスとワインを持って来させてから会場を巻き込んで乾杯する。まるで舞台を見てるみたい。たった一人が入って来ただけで、その人のワンマンショーになっちゃった。一人、伊達くん嫌いの友人が舌打ちしてたけどね。
そしてしばらくは伊達くんを取り囲む女の子や男の子たちが騒いでいたけど、幹事の声で「ゲーム大会をします」と号令がかかる。ワイワイといいながら席に戻る彼らを尻目に私はこっそりとごめん、ちょっとトイレ、と断って立ち上がる。行ってらっしゃい、と言う友人の声を背に会場を出た。
しばらく歩き回って、あれ、と足を止めた。最初はトイレのマークの標識を追いかけてるはずだったのが、気が付けば全然違うところに出てしまっていた。方向音痴だっていう自覚はあるけど、まさかホテルの中で迷うとは思わなかった。そしてこんなときに誰にも会わないまま。とりあえず適当な案内板を頼りに歩き出す。少し歩くと、その先に光が見えてきた。どうやら窓があるみたい。同じような通路ばかりだったからちょっとほっとする。そしてそこに向かうにつれてタバコの香りがしてきた。喫煙所があるらしい。タバコがあまり好きじゃない私はうわ、と鼻と口をハンカチで押さえて歩いてゆく。角を曲がると目の前に少し広いフロアがあった。やっぱり喫煙所らしい、一人の男性が私に背を向けて座ってタバコをふかしているのに、私は彼に道を聞こう、と恐る恐る声をかけた。
「あのぅ」
「Ah?」
そして私の声に不機嫌そうに振り向いた相手に、私は固まった。だってさっきまで会場にいたはずの伊達くんだったから。言葉が出て来ず、固まったままの私に伊達くんは吸っていたタバコを灰皿に押し付けて、じろじろと私を見る。
「お前・・・・・・たしかさっき会場にいた・・・・・・」
「は、はい。です」
「Ah、そうだった。で、何してんだ?」
「え、ええと・・・・・・トイレに行く途中、迷ってしまって・・・・・・」
「バカか」
「ぅ・・・・・・・・」
バッサリと斬り捨てられるのに、恥ずかしさと情けなさに思わずうつむいた。だけど伊達くんはそんな私に上から声をかけてくる。
「どこ見てんだよ?ほら」
くい、と顎で示した先には、トイレの文字。目の前に探していた場所があるのに、私はぽかんと口を開けてそこを見る。そうすると、クックッ、と笑う伊達くんの声が聞こえてきて、私は彼にお礼を言って足早にトイレに入る。恥ずかしさに顔から火が出るかと思った。でも伊達くん、間近で見てもやっぱりカッコよかったなぁ・・・・・・。モデルにスカウトされたこともあるなんて噂、本当かもなぁ。そう思いながら用を足して鏡で化粧を直してトイレを出る。私が行ったとき、タバコの火を消していたからもうそこには伊達くんはいないと思っていたから完全に油断していた。でも出た瞬間に、こちらを伺う伊達くんの視線とかち合って、私はまた硬直してしまった。
「ずいぶん遅かったな」
「え・・・・ええと・・・・・・・」
「アンタを待ってた」
「───────────へ?私?」
「of course」
そしてあまりにも意外なことを言う伊達くんに目が丸くなる。どうして彼が私を待ってるんだろう、どうして彼は私に話しかけてくれたんだろう、疑問ばかりが頭の中を行ったり来たり。だって高校の同級生だったときも、私と彼が話をしたことなんかない。ううん、まったくないわけじゃない。私は覚えてる。遅刻してきた伊達くんが私に時間を聞いてくれたこと。体育祭でのフォークダンス、彼と手をつないだとき、彼は私の手を握って「お前熱いな」と言ってくれたこと。全部全部覚えてる。だって私は彼のこと、好きだったから。
「アンタ、彼氏は?」
「い、いません、けど」
「All right。決まりだ」
「───────────はい?」
そんな私にお構いなしで伊達くんは容赦なく私に聞いてくる。気圧されながらも答えると、彼はにやり、とあの人を魅了する笑みを浮かべて私の手を取った。って、手握られてる!?
「よし、来い」
「え?あの、同窓会・・・・・・・」
「んなもん、どうでもいい。俺は俺の目的を果たしたからな」
「え、あの、伊達く・・・・・・」
「wait。ちっと黙ってろ」
そして手を握ったままぐいぐいと引かれていく。意味がわからないし、ドキドキしてほっぺたが赤くなるし、引かれた手は痛いし、で頭の中がぐちゃぐちゃ。そして混乱している間に彼はホテルのロビーへとたどり着いて、私の唇に指を当てた。ちょっと!?さらに真っ赤になる私を彼は見もしなかった。玄関をじっと見つめている彼に、一体何があったのか、と聞くよりも前に自動ドアが開いて男の人が入ってきた。見ればわかる。ブランド物のいいスーツをかっちりと着こなしてはいるけども、頬に傷があるのはまるであっちの世界の人みたい。でも私はこの人を知っていた。伊達くんのお世話をする人だ。高校のとき、伊達くんはほとんどこの人の車で送り迎えしてくれていた。確か名前は───────────
「おい小十郎、早ぇじゃねぇか」
「政宗さま!何ですか、あの手紙は!」
「悪ぃ悪ぃ。っつってもな、何で俺が日曜日まで仕事をしなきゃならねぇんだよ。それに同窓会に行くっつってんだろ」
「この小十郎が言いたいのはそういうことではなく、何ですか、この手紙は!同窓会で女を見繕ってくるなど、と伊達の社長ともあろう方がこのような・・・・!あってはならぬことでございます!」
「Ah?別にいいだろ。あぁ、小十郎、コイツ連れてく」
「は!?いや、それは───────────」
「決めた。俺はこいつにする」
「政宗さま」
小十郎さん、だ。で二人の口論というか小十郎さんの小言の間に入れるわけもなくて呆然と二人の口げんかを見ていると、ぐい、とまだつながったままの手の甲にキス。
「ぎゃぁぁぁぁぁっ!?」
「Ah?何だ、色気ねぇなぁ。ま、だったら俺がいろいろ教えてやるだけだがな」
「政宗さま!!」
ちゅ、と音を立てて離れていく伊達くんの唇の感触に悲鳴を上げる。ってか、普通手の甲にキスなんてしないから!!あたふたとする私を伊達くんは完全に楽しんでいるようだけど、小十郎さんの眉間のしわがどんどん深くなる。正直、超怖い・・・・・・。
「小十郎、いいな、これは俺の決定だ」
「───────────かしこまりました。失礼ですが、名前は?」
「え、えっと・・・・・・・」
「。元同級生だ。こいつなら釣り合うだろ?」
「そういうことを申し上げているわけではありません。政宗さまにはきっちりとご婚約をしていただいて」
「あ〜うっせぇ!うっせぇ!!いいから、俺はこいつにする。これ以上ぐだぐだ言うな!、行くぜ」
「え・・・・?え・・・・・!?」
手を引かれるままロビーを出て小十郎さんが乗っていた車(ちなみに黒のリムジンで高級車だった)に近寄るとポーターがうやうやしく頭を下げてドアを開けて───────────私は文字通り車の中に放り込まれた。
「きゃっ・・・・・・!」
「Sorry。いいから座れ」
「で、でもっ!私、まだ同窓会がっ・・・・・!!」
「小十郎」
「は───────────」
「こいつと俺が抜けると伝えてこい」
「───────────政宗さま」
「早くしろ。5分しか待たねぇ」
「───────────かしこまりました」
渋面のまま小十郎さんがホテルへ戻っていくのを確認して、伊達くんは運転手に「出せ」と命令する。運転手さんは「しかし片倉さまは?」と聞いてくるけど、伊達くんはもう一回同じことを言って、運転手さんがしぶしぶ車を発進させる。って、えぇ!?いいの?
「」
「は、はい!?」
「今からお前は俺のオンナな」
「───────────はい!?」
「不満か?」
「っていうか、私伊達くんのことほとんど知らないし!それにあの、私にだって好みだってある・・・・・」
展開が急すぎるし!普通はこう、相手のことを好きになって、っていう段階があるはずなのに、わたわたと慌てる私の手を伊達くんがぎゅっとつかんだ。痛いくらいの力に私は思わず悲鳴を上げそうになる。それに身を乗り出してくる伊達くんの瞳に動けなくなる。
「好み、な───────────。アンタ、俺が知らねぇとでも思ってんのか?」
「え・・・・・・・?」
「ずっと俺を見てただろ。高校のときも、今日も。アンタにとって俺は好きな男じゃないとでも言うのか?」
「そ、それはともかく!何で私なんですか!?伊達くんだったら女の子なんて選び放題じゃないデス・・・か・・・・・」
しゃべってる間にどんどん伊達くんの表情が不機嫌になっていく。って、何で!?
「アンタ、俺がのべつまくなしに女を口説いているとでも思ってんのか?」
「だって見るたびに彼女変わってたし・・・・・・」
「彼女じゃねぇ。あっちがしつこいからちょっと付き合ってやってただけだ」
「で、でも!別に私じゃなくても・・・・・!!」
「アンタがいい」
「───────────へ?」
「ずっと賭けをしてた。アンタが俺に何かアクションを起こしてくれるかどうか。だけどアンタはずっと俺にお預けをくらわせたままだった。これ以上待つつもりはねぇ」
「い、いやいやいや!!そうじゃなくて!何で私なんですか!?」
「決まってる。アンタのことが好きだからだ」
た、助けてください・・・・・・日本語が通じません、この人・・・・・・・・。でも、伊達くんにつかまれたままの腕がかっと熱くなって、身体中に熱が伝わってくるのがわかる。きっと私のほっぺたも真っ赤になってるに違いない。だけどじっと私の目を見てくる伊達くんの瞳から目を逸らせなくなってる。キス、されるのかも・・・・・っていうぐらいの男の人の熱っぽい視線。あぁ、ダメだ。私やっぱり、伊達くんのこと好きなままだったんだ。
「あ、あの・・・・・・」
「何だ?」
「え・・・と・・・・・お、お断り、しま・・・・・んんっ!!」
でも───────────、正直彼と一緒にいて私が釣り合うなんて思わなかった。背も低くて、スタイルもいい方じゃない私が彼の隣に立っていてもはっきり言って見劣りするどころの騒ぎじゃない。それに、今は社長なんてやってる彼の彼女なんて無理すぎる。だから断ろうとした時───────────。私は伊達くんにキスされていた。
「No。俺のこと、好きだろ?」
触れるだけのキス。そして唇が離れてからにやりと笑う彼の凶悪の笑顔に逆らえるはずもなかった。
「───────────ハイ」
「Okey。じゃ、明後日のパーティー、出席な」
「は!?はい!?」
「俺のパートナーがいなくて困ってたんだ。アンタならちょうどいい」
「って、ええぇぇっ!?」
「るせぇ、いちいち騒ぐな!心配すんな。責任は取る」
どう責任を取るのか、怖くて聞けなかった。人生、一寸先は闇って本当だったんだね。闇っていうよりも強烈すぎる光で闇になってる気はするけど。そのまま小さくなる私に伊達くんはにや、と笑ってぐいと腕を引き寄せる。ちょうど道路がカーブに差し掛かっていて、バランスを崩して伊達くんにもたれかかる格好になる。思わず悲鳴を上げる私の背に腕を回されて、いやでも身体が密着していることを意識してしまう。心臓の音がうるさいくらい騒いでいるけど、お願い、伊達くんには気付かれませんように!
「」
「は、はい・・・・・・」
「アンタ、あったけぇな」
「・・・・・・・・・・すみません」
「Ah?何で謝る?」
「な、なんとなく・・・・・・?」
「Ham、ま、これから先は長ぇ。ゆっくりと俺に慣らせてやる」
な、何かすごく不穏な発言に聞こえるのは私の気のせいなんでしょうか。つい、と首筋をなぞる伊達くんの指先に悲鳴を上げそうになるのを必死で押しとどめる。くつくつと笑う声が密着する身体から聞こえてくる。逃げ出そうとしてもどう捕まえられているのか、びくともしない。どうしようこの人、絶対わざとだ!
「で、アンタはいつまで俺のこと苗字で呼ぶつもりだ?」
「・・・・・・そ、それは人として当然、というか・・・・・・・」
「俺たちは恋人だぜ。下の名前で呼べ」
いつ恋人になったの!?ツッコミたいところ満載なんですけど!?少なくとも私は伊達くんとお付き合いするとか言った記憶はないんだけど!
「俺もアンタのこと、って呼んでるだろ。『政宗』だ。呼んでみろ」
「え・・・・・ま、政宗、さん・・・・・・・」
「Ah?他人行儀だな」
「え・・・・で、でも・・・・・・」
「『政宗』」
「ま、政宗、くん・・・・・・」
「・・・・・・・・仕方ねぇ、しばらくそれでいい」
「は、はい」
逃げ出せもしないし、抵抗すればするほどどうやら楽しんでいるらしいからもうあきらめて伊達くんにもたれかかる。どのくらい走ったかわからないけど、どうやら到着したらしい。運転手さんがエンジンを止めて、後ろに回ってドアを開けてくれる。伊達く・・・・政宗くんがやっと私を解放してくれる、と思ったけど、甘かった。手を握られたまま車から降ろされて───────────、「げ」と政宗くんが声を上げる。それは当然でしょ。目の前にホテルに置いてきぼりにしちゃった小十郎さんが仁王様みたいな怖い顔で立ってたんだから。
「政宗さま、遅かったですな」
「こ、小十郎・・・・・・お前もう帰ってやがったのか・・・・・・」
「そうですな。あの距離でしたら車よりも電車の方が早かったようです」
「で、電車!?」
うわぁ・・・・・・・あのスーツ姿で電車に乗っちゃったんだ・・・・・・。同じ電車に乗り合わせた人たちに私は心底同情する。
「それで、そちらの女性のご家庭にはご連絡しているのでしょうな」
「してるわけねぇだろ!おい・・・小十郎・・・・・・・」
「おい、、とか言ったか」
「は、はい!?」
「悪ぃな。今日んとこは帰れ」
「わ、わかりました!」
じろり、と不機嫌MAXで睨まれて私はぴょこん、と背筋を伸ばす。何でかわからないけど何故か小十郎さんに対してはそうしなきゃいけない気がした。
「ちょっと待てよ!は俺のパートナーに」
「でしたら先に女性のご家族にしかるべきご連絡を。パーティーにはマスコミも入ります。突然自分たちの娘がマスコミにさらされるご両親の身になっていただければわかると思いますが。それとも───────────、まさかパーティーだけでお付き合いを終わらせるおつもりではございますまいな?」
「んなこたぁしねぇよ!わかったよ、おい」
「はい!?」
「今からお前んちに行く。案内しろ」
「───────────ええと・・・・・念のため聞いてみるけど、何のために・・・・・?」
「Ah?アンタを俺にくれって挨拶に行くに決まってんだろうが」
「───────────」
神様、私、どうしたらいいですか?確かにカッコよくて憧れの人だったけど!この急展開に私はYesと答えるべきなのか、Noと答えるべきなのか、教えてください───────────
だらだらと冷や汗を流す私に、政宗くんが「Hurry!」って言いながらまた車へ押し込めようとする。小十郎さんを見れば、彼はふぅ、と超特大の溜息をつきながら、今度はさっさと助手席に乗り込んだって、ちょっと待ってぇっ!!
「あ、あのぅ・・・・・・・・ええとですね、今日多分母しかいないんで・・・・・・またの機会に・・・・・・」
「構わねぇ」
「って、私が構いますっ!!」
「だったら、俺の何が不満だ?言っておくが、女が男に求める条件は揃ってるはずだぜ。それとも───────────」
「俺が嫌いか?」って色っぽい低音で耳元でささやかれて、へにゃ、と膝が落ちた。政宗くんの声は、腰に響きマス・・・・・。そして私はそのまま抱き上げられて車に乗せられてしまいました。私の自宅には予想通り母しかいなかったけど、やってきたイケメン二人にぽかんとしてました。うん、私もぽかんとしたい。そして政宗くんが(ほとんど無理やり)母を頷かせて、とても嬉しそうでした。そして政宗くんはあろうことか私を自分の家へと連れて行ってしまいました・・・・・・。
それから1カ月もしないうちに、私は政宗くんの婚約者となっちゃいました・・・・・・・・・。そして私の平穏って何だっけ?って言いたくなる生活が始まったのでした。